『結果』を知った立場から読むと、後半の対談が面白すぎ。
東大教授と作家が拓大教授をやり込めてるが、後に英語版の独白録が見つかり、正しかったのは拓大教授だという。
権威も肩書きもあてにはならないことを、見事に著した良書。
『結果』を知った立場から読むと、後半の対談が面白すぎ。
東大教授と作家が拓大教授をやり込めてるが、後に英語版の独白録が見つかり、正しかったのは拓大教授だという。
権威も肩書きもあてにはならないことを、見事に著した良書。
ライトな新書だなと思ったら、あとがきの著者の想いを読んで納得。この人の書く、小難しい版も読んでみたいな。
幕府という概念もない、もしくはあっても一般的でない当時、同時代の人達にとって統治体制ってどう捉えられていたんだろうと、最近とみに思う。
あと歴史の事象のひとつひとつが、どれだけ意図・意思を持ってやったことなのかとか。
「もし北条氏が望めば、いくらでも高い位に就くことは可能だったでしょう。つまり、そこには北条氏の明確な意志があったと考えるべきです。」
「他人を信用できない自力救済の世界を生き抜いてきた武士が信じられるものとは何だったのか。それが命がけで利害を共有し、対面で信頼を伝え合う、一対一の関係に基づいた幕府型リーダーシップだったといえるでしょう。」
藤原仲麻呂にも奈良時代にも興味が薄く、教科書レベルの知識しかなかったから、感想は山ほど。
藤原氏ブランドを高めた立役者
等々、歴史書とは勝者の物語なのねということがまざまざ。
算道に明るく合理的、先進性もあって実行力のある政治家なんだけど虚栄心が強い、頭がキレるけど嫌われ者タイプ?
「政権確立期には、儒教理念に基づく民の生活安定や負担軽減を志向する仁政を行っていた」が「私的な側面が強くなって」しまったっていうのが、ほんと文字通りなのかな。
正直、馴染みのない人だらけで読み進めにくい時代だったけど、三谷幸喜だったらこういう人を面白いドラマにするんだろうな…。
あと、あとがきの「為政者が疫病の流行という国家危機をどのように乗り越えるのかという現代にも通じる課題」という一文に、膝を打つ気分。